日々日記

日々のあれこれを書いていこうかと。

「100分de名著 三木清 人生論ノート」を読みました。

日本の哲学者も読んでみたいと思いkindleセール時に大量購入した内の1冊です。

 

1938年〜1941年にかけて、断続的に書かれたエッセイを1冊にまとめたもの。全21のテーマについて書かれています。

 

「人生論ノート」は、人生とは何か、人間にとって幸福とは何かという問いを、三木清さんはどのように考え、どのような理想を抱いていたかを提示してくれています。

 

自分の人生について考える時間が増えた今日この頃、こういったテーマの本には手が伸びてしまいます。

 

本書では全てのテーマについて解説してはいないのですが、「幸福」について解説している章があり、これが良かったです。

 

「幸福とは人格である。」

 

人格とはその人固有の人間としてのあり方、自由意志を持った個人(=自分自身でものを考え、感じ、行動すること=自分自身を生きている人)。

 

自分が自分自身でさえあれば、幸福であり続けることができる。

 

幸福とは自分自身を生きている人。

 

どんなに辛くても、自分から幸福は離れない。いつもそばにいる。自分が幸福ではないと考えている人は、既にある幸福に気づいていないだけ。

 

ちなみに幸福と成功は別物と言っています。

 

この「幸福」についての章だけでも読む価値があり、考えさせられます。自分自身を生きることは難しく感じます。他人に合わせることが続くと疲弊し、自分とはいったい何者なんだと考えてしまいます。だから、自分自身を生きている人を尊敬するし、憧れます。

 

幸福について考えるキッカケをくれて感謝です。

 

「夜と霧(旧版)」を読みました。

この本は、社会人になったばかりの頃に読みましたが、その頃は今よりもじっくり読むということはしていなかったので、読みにくいという印象が強かったです。

最近読んだ本(生きがいについて、悩む力)に本書が登場するので、改めて読んでみようと思い引っ張り出してきました。

 

読んでみると、やはり気付きが多かったです。

 

辛い、苦しい状況に身を置くことで大切なことに気付く。その気付きの要素はすでに持っていて、見えていないだけの可能性がある。

 

フランクルは「愛」の力に気付き、これが生きる意味、力になりました。他の生存者の著書には「友情」に支えられたと書いてありました。

 

厳しい環境であるからこそ、そこで見つけたもの(物質ではなく)が深く自分に刻まれて、それが今後の人生でも大切なものであり、自分の拠り所になっているのかな。

 

ただ、著者が体験した厳しい環境というのが、-20度の中で手袋も無しで土工作業や、夜寝る前に虱を取れることが喜びなど、想像してもし切れないほどの環境だったので、読んでいて苦しかったです。

 

このような厳しい環境でも奪い去ることがきでないものがありました。それは「精神的自由」です。精神の豊かさにより、人として正しい態度を示すことができるのです。飢えた人に自分のパンを分け与えたり、励ましたり、祈りを捧げたり、愛を感じたり、友情を感じたり。

 

それでも、厳しい状況に置かれたら、生きる意味に疑問を持つのが普通ではないかと考えてしまいます。しかし、フランクルは「人生の意味を問うのではなく、人生から問われているのだ」と言います。それは「あなたを待っている誰か、何かがある」と。その問いかけ1つひとつに決断を下し、歩んでいくことが人生の問いに応えることであり、生きる意味になっていくのかなと。

 

厳しい環境を耐え抜いて解放されても苦しむ人がいたと書いてあったことには驚きました。離人症になったり、権力と暴力の被害者たっだのに解放されてもそれに固執し、自分が恣意的にそれを利用できると思い込んだり、もといた場所に戻っても安っぽい決まり文句を言われたり、自分たちも苦しかったというようなことを言われると「何のための苦労だったのか」と不満と失望に襲われたそうです。

 

フランクルは、そんな底無しの苦悩から助け出すのが心理学者(自分の役目であり、生きる意味)であると言います。人間はここまで人格者になれるかと圧倒されますし、感動します。

 

「夜と霧」を読んだ後、すぐに「100分de名著 夜と霧」を読んだので、理解が深まりました。生き抜いて素晴らしい著書を残してくれたフランクルさんに感謝です。

 

 

 

「こうやって、考える」を読みました。

外山滋比古さんのこれまでの著書から文章を抜き出してまとめた箴言集。

外出時のスキマ時間にサッと読むために購入。サッと読むのにちょうど良かったです。

 

全7章立て。以下の通り。

  1. 発想力を鍛えるヒント
  2. 思考のプロセス
  3. 思考力を高める方法
  4. 知性を磨く生活
  5. 思考につながる読書
  6. 発想が豊かになる“おしゃべり”
  7. 未来を創るヒント

本書の中で「本を読んだら感想を書く習慣をつけるようにしたい」という話があり、その影響でブログに感想を書くようになりました。

 

以前は読むことを優先し、気になった箇所にマーカー、メモなどを書き込む程度でした。たまに感想をGoogle keepに残すことはしていたけれど、本書を読んでやってみようかなと気軽に始めました。

 

本書のような箴言集は気になった箇所をサッと開いて、サッと読めるので今後も外出時の1冊として持ち歩きたいですね。このような作りにしていただいて感謝です。

「役に立つ古典」を読みました。

何百年、何千年も前から存在している書物である古典。現在まで存在しているということは価値あることが書かれているからだろう。と、ある人に教えていただいので古典をもっと読みたいなと思っていたときにKindleセールで本書を発見。(このとき100分de名著シリーズもセールしていたのでポチ連打)仏教、哲学とかにも興味を持ち始めているので古典も読みたいなと思う今日この頃。

 

本書は以下の4つの古典を紹介。

  1. 古事記
  2. 論語
  3. おくのほそ道
  4. 中庸

それぞれの古典から生きる上でのヒントを紹介してくれます。

 

中でも印象に残ったのが「おくのほそ道」です。

平泉で読んだ句「夏草や兵どもが夢の跡」。この句で義経主従と奥州藤原氏の武将たちの鎮魂を行いました。鎮魂する気持ちや思いを言葉、俳句で表す。そんなことができる日本人の感性に驚かされました。そんな心を現代人の自分も受け継いでいるのだろうか。素敵な文化だなと改めて気付かされました。俳句の力ってすごいです。

 

古典が身に付くまで読むために「遅読」をオススメしています。古典の現代語訳を読んでつまらないと感じてしまうのは、現代文のスピードで読んでしまい、無意識のうちに飛ばし読みをしてしまうからだと。古典を写す書写もオススメしています。古典には無駄な言葉は1字もないと力強く説明しています。

 

これはかなり納得しました。詩を読むときにどういったことを言っているのか、自分の体験にも当てはめられるかなど、想像して読むので飛ばし読みなんてできないんですよね。それに似ているのかなと。

 

今回読んだような解説本は興味を持つキッカケを作ってくれてありがたいですね。感謝です。

 

「悩む力」を読みました。

ブックオフで見つけて、10年くらい前に読んだような、、読んでいないような、、、それでも読もうと思ったので買いました。

 

悩んで悩んで大いに悩んで、中途半端にしないで確信できるまで悩みなさいと。

 

人生にはそういう時間があってもいい。1人で悶々と悩んで、生きている意味を考えたり、人間とは何かということを考えたりしてもいいと。

 

確かに前だけ見て突っ走っているときは悩みもなく順調に見えるけれど、まぁ壁というものは必ず出てくるわけで。そこで要領良く上手く回避できたりすることもあるけれど、実はその壁の前で立ち止まってしっかり考えた方がいいこともあったりするのですよね。ここでは氷の上を滑るようにものごとの表面を滑ると表現していますが、滑るのは身を任せていればいいから楽なんですよね。でも永遠に滑ることもできないわけで。

 

著者は若い頃から自分へ問いかけ続けたが「解が見つからない」ということが分かり、「解が見つからなかったが、行けるところまで行くしかない」という解が見つかったと書いていました。これは悩み抜いた上での確信ではないでしょうか。覚悟が決まったとも言えるかもしれません。

 

自分の場合はフタをして見えないようにしてしまうことがあるけれど、確信できるまで悩むことが大切ということを教えてもらいました。感謝です。

 

 

「僕はウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた」を読みました。

おもしろかった。

 

新聞で連載していた内容を一冊にまとめたのが本書。

 

著者との出会いは「100de名著資本論」です。この話が面白くて著者に興味を持ちました。本書にはオチありの笑える話もあり、このような文章も書けるのかと驚かされました。

 

著書の生い立ちも興味を持つ1つの要因になりました。パンクバンドでギター(ハイスタから鉄アレイまでご存じとは!)、高校までサッカー、レザージャケットを買うために日雇い労働、海外生活で差別など、色々と経験値が豊富な方なのだなと認識しました。

 

現場を大切にするということで様々な場所に赴き経験、コロナ禍でそれも上手くできなくなっても自身で経験(メイク、あつもり)することを大切にした行動力を尊敬します。ホントすごいな。

 

誤りを認めることが大切。これが出来る人本当にすごいです。指摘されると瞬間的に身構えてしまうな。。。難しいです。素直な人って大人になるとほとんど出会えない気がする(経験上)。誤りを認めないで同質的な正しさの世界にずっといると排他的になるってのはハッとさせられました。他者に出会うことの大切さも教えてもらいました。感謝です。